こんにちは、こんばんは、今日もお疲れ様です。
さて食堂かたつむりと並行して読んでいるのは、
「レインコートを着た犬」という吉田篤弘さんの小説です。
吉田さんの本はけっっこう好きでして、(いやまだ3冊目なんですが。笑)
少し前に「それからはスープのことばかり考えて暮らした」(以下スープの本と略させていただきます)を読みまして、
(記事にしているので良かったら読んでって下さい。)
この本が私の手元に来るまでのヒストリーを残しています(誰得)
そしてスープの本のあとがきを読んで知ったのですが、実はシリーズとして続いているそう。
1作目は「つむじ風食堂の夜」
2作目が「それからはスープのことばかり考えて暮らした」
順に読んでいっていってまして、今3作目の「レインコートを着た犬」に来ている訳ですネ。
主人公は月舟シネマという田舎の小さな映画館(スープの本でも度々出てくる)にいる犬(ジャンゴ)です。
主観が犬目線でちゃんと心の声が見えるので、面白いです(笑)
個人的には柴犬位のサイズのわんちゃんかなとイメージしてます。
ただこのジャンゴ(ちゃん?くん?どっちだろうね。)人間の言葉をよく聞いていて結構博識なんです。
────その独り語りの長いこと長いこと。「辟易」というのは、こういうときに使う言葉ではなかったか。────
ちゃんとジャンゴの言葉として入っているのが面白いですよね。
────「そういえば、お前の人生はどう呼ぶんだろう。人ではなく、犬の人生ってのは──」
親方に分からないのに、私にわかるはずがない。
「犬の生だから、いぬせい、か。いや、どうも間抜けた響きでいただけない」
「ドッグ・ライフっていうのはどうだろう」
じつを云えば、私も探していたのである。
人の生ではなく、犬の生をあらわす、犬の来し方行く末をあらわす言葉を──。
という感じで、ジャンゴが人と同じように考えを持っていて、生き方を探り人生(いや、ドッグ・ライフ)を過ごすストーリーです。
まるまるジャンゴの感情をのぞき見しているような、楽しい感覚です。
家の祖父の家でもプードルを飼っているので、人に話しかけられているわんちゃんの気持ちってこんな感じだったりするのかなぁ。とか思います。
────ええ、初美さん、私はすべて理解しています。「はい」とひとこと云えればいいのですが、すみません、それを云おうとすると、なぜか吠えてしまうのです。────
わああああーーー。わんちゃんこんな気持ちだったのーーー!ってなりました(笑)
あと、作中では、スープの主人公「大里」(オーリ)さんも出てくるし、
1作目の舞台である「つむじ風食堂」も出てきます。
やんわり皆繋がっているのがいい感じです。
もひとつ書きながら気づいたんですが、漢数字がめちゃくちゃ出てくるんです。1ページに一つ以上。
「一週間」「二股をかける」「三角関係」「七年目」「シノゴノ」「十中八九」
作中の映画も「三ミリの脱出」というタイトルで出てきます。
スープの本では、「三」という数字がこだわって出てきているようなイメージだったので、今回もやはり「三」なのか。と思っていたけれど、探してみるとそこかしこに漢数字!
潜在的に読んでいた部分でしたね。驚き。
実は私も「三という数字(物体、人、点)で支えあうのは最強説」を勝手に唱えていまして。笑
三人、三点、三角形、三角柱など…
グループでも2人だと煮詰まるけど、3人だとなんだか会話が弾む。みたいなことありません?(2人でこっくり話したい時もあるかと思いますが。)
個人的に振り返ってみても、中高専門社会人、どの親しい友人を思い浮かべても、見事に3人で集まっていたんですよねぇ。
あと、この三最強説をとなえるきっかけになったのは、荒木飛呂彦先生が描くジョジョシリーズ、「岸部露伴は動かない」に出てくる露伴先生のこだわりにあります。
漫画を描いてる露伴先生なんですが、ある日書き上げた漫画のキャラクターが三点で仕上げたはずなのに、四点になっていることに対して、
「四ではだめなんだ!三でないと絶対にいけない!!」
と力説しているシーンを見て、深く納得したのがきっかけですね。
まぁ気になれば皆さんも見てみてください。何話か忘れましたが高橋一生さんが上手にストーリーを仕立てていらっしゃいます。
だいぶ話がずれてしまいましたが、ジャンゴの物語もまだもう少し続きます。
108/267ページなのでまだ楽しみたいと思います。
2月はあんまり本読めなかったなぁ。気づけばもう3月だ。